経理の特権

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経理の特権

経理には2つの特権がある。
1「社内情報にフルアクセス!」
2「全部署と関わる」

これが経理の特権だと思っている。しかも下っ端でも可能なのが凄いところ。営業から経理に異動したのが20代中盤の頃だった、売上数千億円の上場企業だったが個人の給与データ以外は大体見れた。それまで存在すら知らなかった開発、企画、法務等の方とも関わりが多かった。いち営業マンには絶対に見えない会社の全体像が早い段階で見れて、とても楽しいし勉強になったのを思い出す。

1「社内情報にフルアクセス!」

理由

フルアクセスできる理由は、経理の仕事が会社の全ての動きを記録することにあるからだ。商品が売れたり、経費を使ったりしたら全て記録しなければならない。営業マンの交通費も、企画のサンプル購入費も、エンジニアのMACも全て対象になる。

逆に言えば、抜け漏れ無く全て記録しなければならないため、見えない部分があると仕事にならないとも言える。

良いところ

この特権の良いところは
①会社の全体がわかる
②他部署にできない
③下っ端もOK

なところ。

①会社の全体がわかる
他部署だと、どんだけ頑張ってやっても会社の全体を把握することはできない。営業なら、会社全体の売上進捗ぐらいはわかるが、エンジニアの費用に何がかかってるのか?社内システムの月額費用は?最近入った企画のエリート社員の採用コストは?そんなことは一切わからない。

店舗で営業をしていた時は、店の販管費がいくらで毎月の粗利がいくらか?ということすらわからなかった。店長ならそれぐらいはわかるかもしれないが、賃貸契約書に書いている金額までは見たこと無いだろう。ダイオーズさんに払ってるお茶代や、マットを換えてくれる業者なんかは本社で一括管理のためなおさら。

②他部署にできない
他部署にはできない、というかできてはいけない。会社の会計情報というのはとても重要な情報なため、安易に他部署や社員に伝えるということはしない。他社に流出したりすれば大変なことになる。上場企業で必要な情報を開示している場合も、販管費の細かな内訳まで会計情報を出すということはない。近そうな経営企画などの部署でも、理由がなければアクセスできないということは普通。

③下っ端もOK
下っ端の平社員であっても、意外とほとんどの会計情報にアクセスできる。私自身、20代中盤で上場企業の会計情報を一通り見ていた。というか、最初の仕事が販管費の分析でメチャクチャ細かく見たりした。上場企業の”全体像”を裏側から見れるというのは普通に楽しいし勉強になる。

経理のメンバーが10人を超えてくるあたりから分業は大きく進むと思われるが、それ以下であれば大体全部見れる。というか見れないと仕事ができない。

悪いところ

この特権には良いところもあれば、悪いところもある。「見たくないものも見えてしまう」ということだ。特に大きかったのが人事情報、他人の給料が普通に見えてしまう。会社の財務状況も良い時は良いが、悪い時も見えてしまう。そして、これらは絶対人に言ってはダメな情報だ。経理内であればいいが、中の良い他部署の同期には絶対言っちゃいけない。会社の秘密を無駄に抱えてしまうのはしんどいところ。

2「全部署と関わる」

理由

経理の仕事は会社の全ての動きを記録すること。対象外の部署はない。なので、自動的に全部署と関わることがある。

バックオフィスの部署とは普段から関わる事が多く、営業・企画等の部署には事業の状況や方向性などを毎月の様に聞いたりする。エンジニアには開発の状況や外注をする可能性を先回りして聞いて、予算への影響を見込んでおく。マーケには広告宣伝費を踏むタイミングがあればすぐ教えてと前もってコミュニケーションをとっておく。

こんな感じで全部署と関わることがある。

良いところ

良いこととしては、今まで全く知らなかった職種についても具体的に何をやってるのか?どういう所にお金を使うのか?などを知れること。業務上で実際に発生している行きた教材について、経理は内容を理解して仕訳を切って記録しないといけないため詳細に聞くことができる。

悪いところ

逆に悪いところとしては、中の悪い部署・苦手な人・したくない話もしないといけないというところ。どれだけ中が悪くて苦手な人でも、内容がわからなければ仕訳が切れないので聞きにいかなければならないし、経費精算間違ってますというしたくない話もしないといけない。しかも、社内の全員がその対象で逃げることはできない。経理は逃げ場がないというのも大きな特徴の一つかもしれない。

最後に

経理の特権について書いてみた。他の職種にもそれぞれの特権があると思う。経理は「社内」「全体」というのがキーワードかもしれない。

また、この特権に気づいたのはもしかしたら平社員の営業をしていたからなのかもしれない。最初から経理だとこの点に疑問を持たなかったのかもしれない。

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