コミュ障OK?|コミュニケーション能力は経理に必要?

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はじめに

「コミュ障なんで経理になりました」こういう人は結構多い。人と話すのが苦手で、営業だけはやりたくなくて、なので真逆の経理にという流れ。面接をしていると半分以上はこのタイプ。

ただ、経理は実はコミュニケーション能力が大事な仕事で、これが出来ないと仕事が回らず、最悪の場合破綻することも。そんな、経理におけるコミュニケーション能力の必要性について書いてみた。

理由

経理にコミュニケーション能力が必要な理由は
1,機会が多い
2,人の幅が広い
3,逃げれない
4,嫌われ役をやる

から。

1,機会が多い

経理は実は人と話す機会が多い。お客様と話すことはほぼ無いが、社内のあらゆる部署の人と毎月の様にコミュニケーションをとる必要がある。理由は経理の仕事が「会社のお金の動きを記録する」ことで、内容がわからないと記録が出来ないため。

現場から上がってくる売上明細や、各部署からの請求書等を元に記録していくが、それを見ただけでは内容がわからず、どの科目で仕訳を切っていいかわからないことが結構ある。その際は担当者に聞くしか無く、この機会が結構多い。

2,人の幅が広い

経理が話す相手は全部署・社員全員が対象になる。そのため関わる人の幅が広く、それぞれタイプが全く違う。その違いに対応するためにコミュニケーションの能力が必要になる。

3,逃げれない

経理には基本的に逃げるという選択肢が用意されていない。逃げる=法令違反となる業務が多いからだ。

経理の仕事は、会社のお金の動きを全て・時間内に記録しなければならず、一部は今回パスという選択肢は無い。そのため、あの部署のあの人は苦手なので記録しませんということはできず、苦手だろうがなんだろうが内容を聞いて正確に記録しないといけない。

4,嫌われ役をやる

経費精算の否認や稟議の差し戻し等、ルールに則って嫌われ役になる仕事が結構ある。しっかりルール通り運用する必要はあるが、この際にコミュニケーションが上手く出来ないと無駄な争いが起こる。

そして、この嫌われ役をやりながら上記の①~③をしないといけないのが難しいところであり、コミュニケーションが上手く出来ないと業務に直接影響する理由。

関係が悪くなると情報が出てきづらくなるが、その後もわからないことがあれば聞き続けないといけないのは変わらない。その部署のことだけ対象外にしたりできず、時間制限もある。

コミュニケーションの詳細

コミュニケーション能力にも種類がある。経理の場合に必要なコミュニケーションの能力について細かく見ていく。

1,対象

コミュニケーションをとる相手は
◯社内:全部署
△社外:外注先(税理士・会計士等)、税務署等
✕社外:お客様

と言った感じ。

お客様と関わることは基本的に無いため、営業的なコミュニケーションの能力は必要ない。代わりに、社内のメンバーとのコミュニケーションが上手く出来る必要がある。社外の方とも関わることがあるが、そこまで多くなく実務的なやり取りがメインなため、普通にやりとりさえできれば必要以上の能力が求められることは無い。

2,タイミング・内容

コミュニケーションが発生するタイミングと、その際の内容は
①不明なお金の動き
②不明な社内申請
③ルール・フローの変更

が発生した時がほとんど。

①不明なお金の動き
繰り返しになるが経理の仕事は会社のお金の動きを記録することである。そのため、内容が不明なものがあれば理解できるまで担当者に聞かないといけない。この不明なものが発生するたびにコミュニケーションを取る必要が出てくる。

②不明な社内申請
経理外の人の経理のイメージと言えばこれ。経費精算や支払申請などの際に不明なものや間違いがあれば、個別に確認したり却下したりすることがある。その際に、改めてルールを説明したり、今回の申請は具体的に何が間違っていてどうすればよかったのか?ということを事細かに話す機会がある。この際にコミュニケーションが発生する。

③ルール・フローの変更
社内申請のルールやフロー等は、経理が管轄し作成・運用している場合が多い。そのため、内容に変更がある際には全部署に向けて変更点の説明・新しい申請方法の指導を行う必要がある。これが相手に伝わる形で上手くできないと、大量の間違いが発生して業務が止まることがある。

3,必要な能力

経理に求められるコミュニケーションの能力は、その能力の中でも
①各部署から情報を聞き出す能力
②無駄な争いを起こさない能力
③相手がわかるように説明する能力

である。

①各部署から情報を聞き出す能力
繰り返しになるが各部署にヒアリングをする機会は山のようにある。その際にコミュニケーションが上手くいかないと細かい所がわからなかったり、時間内に終わらなかったりと業務に直接影響が出るため必要になる。

②無駄な争いを起こさない能力
「嫌われ役やりながら、争い起こさないって無理ゲーじゃん」って感じだが、可能な限り争いを起こさない、起こってしまっても最小限に抑えるというのが大事になる。その後もずっと関わらないといけないのは変わらないため、少しでも抑えることで業務上の運用が大分しやすくなる。ただ、正直なところ確実に発生はしてしまう。

③相手がわかるように説明する能力
経理は専門的な用語や話が多く、普段は部署内のメンバーとの関わりがベースなため、ついつい他部署にわからない言葉を使ったり、わかりにくい話し方をしてしまう。しかし、ルールやフローをわかりやすく相手に伝わるように説明できないと、とにかくミスが発生して、自分の首を自分で締めることになる。「私はちゃんと伝えた、間違った相手が悪い」と言ったところで、経理側に間違いをそのまま放置する選択肢はなく、結局無駄な処理が発生する。

コミュニケーション上手な経理がやってること

コミュニケーションを上手く取れいている経理が気をつけていることは
1,普段から全部署の人と話す
2,一方的に上から話さない
3,相手の立場・状況も踏まえて話す

の3つだ。

1,普段から全部署の人と話す

全部署に1人は知ってる人がいるととてもやりやすくなる。そのために普段からいろんな部署の人に話しかけるのは良い効果がある。そうすることで、どの部署の誰が何をしているのか?の事前知識ができ、その部署に聞きたいことが発生したときも、少し話すだけで一瞬で解決することが多い。

何もしていない場合、そもそも目の前の問題にどの部署が関わっているかわからない。そのため、手当たり次第いろんな部署に聞いたあげく、対象の部署には聞いたが担当者まで届かず結局わからないなんてこともある。

2,一方的に上から話さない

「ルールだから当たり前でしょ」スタンスは100%揉める、言い方・聞き方次第で相手の印象は大分変わる。ルールの門番として上から決めきるのではなく、ある程度共感しつつ「そうですよね、でもこのルール意味なくなっちゃうと大変なことになるので、、、」と話せると不要な争いは減らせる。

注意が、たまに何を言っても無駄な人がいる。何故かずっと怒っていて、何も聞く気が無いタイプだ。そういう相手は共感したところでつけあがるだけなのでスパッと切ってしまって問題ない。

3,相手の立場・状況も踏まえて話す

自分にとっては関係ないっちゃ無いが、これが出来てる人と出来てない人で全く変わってくる。結局、伝わらなくて損をするのは自分なので、これは注意したいところ。今話してる相手は、どの部署のどの立ち位置で目の前の仕事がどういう状況なのか?を考えて話す。

例えば、稟議の仕組みを変える際、相手が申請する人か承認する人かで話し方が全く変わる。そして、申請する人は何が気になるのか?どの部分を細かめに話せば良いのか?ということに注意する。

また、経理以外は経理素人だ。当たり前の話だが、ついつい専門用語を使ってしまう。「稟議・ワークフロー」と言われても、普段関わりが少なくよくわかってない人もいる。そうではなく「社内申請のこれ(画面見せながら)」と言えば伝わる。

ここまでやらんとあかんの?と思うが、ここまでやらんとあかん。やりすぎなぐらいで丁度いい。一番理解力がない(理解する気がない)人が、一番多く間違いをする。そのため、一番わかってない人に合わせて話さないといけない。

コミュニケーションの効果

コミュニケーションが上手く取れることでの仕事への効果は大きい。もしかするとExcelでマクロを組めることより、こちらの方が重要かもしれない。

大きな効果としては
1,先回りして情報を取れる
2,1つ1つの仕事の大きさが小さくなる
3,解決が早い
4,問題が大きくならない

がある。

1,先回りして情報を取れる

普段からいろんな人に話しかけていれば、何か新しいことをする際に情報を取ることができる。例えば、企画で来月新しい施策をしようとしててといった内容だ。まだまだ未定の内容をわざわざ経理に話す義務は他部署には無い、しかし何をやろうとしているかがわかっていれば経理としてはとても助かる。

もし先に情報がなければ、請求書が来た段階で初めて知ることになる。その場合、制限時間が決まっている月次決算中に時間を割いてその部署に詳細を聞きにいかないといけない。しかし、担当者が有給で休みとか、出張に言ってて明日になりますなどすぐに聞けないこともある。それでも内容がわからないといけないので、担当者と話すミーティングの設定に時間をとられたりする。

普段から話していれば、そんなことしなくても5分の雑談ですんでしまうし、追加で聞きたいことがあれば担当者も知っているので、月次前に聞くこともできる。

2,1つ1つの仕事の大きさが小さくなる

気軽に聞けるので、1つの不明点を解消するための労力が急激に減る。面識がないと、部署宛に連絡をし、担当者とのミーティングを設定し、ミーティングで聞くことの準備をするというステップを踏まなければいけないことも多い。

しかし、気軽に聞ければメール1通、電話1本でほとんどの不明点が解消する。毎回のことを考えると仕事の効率が大きく変わる。

3,解決が早い

前述の通り、気軽に聞けるので解決が早い。そもそも事前に話しているので問題(不明点)が起きないということもある。

4,問題が大きくならない

先に知っておくことで、経理として注意しておいてほしいポイントを伝えることができる。1つ注意してもらうだけで起きない問題も多い。

しかし、何も知らず請求書が来た段階で知った場合はどうしようもない。既に終わっていることで、時間も経っているので遡って解決するために労力が追加で必要になる。

おわりに

経理でもコミュニケーションが必要な理由いかがでしたでしょうか?。何故必要で、何に気をつければいいか?まで詳細に書いたつもりです。これを読んでくれた方で、コミュニケーションの仕方に気をつけて無かった方は是非実践して頂きたい。少し気をつけるだけで大きく変わる。

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