経理の仕事の大事なポイント!

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はじめに

経理にて日々業務を行うにあたって、気をつけるポイントがいくつかある。部署全体の運営を行うようになると、この指標を常に考えながら日々の業務を行わないといけない。経理実務で指標になるポイントとは
1,旨い
2,早い
3,安い

の3つのポイントである。

1,旨い

経理の旨いは精度のこと。一つのミスで大きな影響が出てしまう。なので、正確に間違わないようにすることが全てにおいて求められる。当たり前に金額を間違える経理ほど怖いものは無い。

2,早い

経理はスピードも大事なポイント。法律で期限が決まっているものが多く、1時間でも過ぎれば、問答無用で違反になる。「ちょっとぐらいええやんか」が全く通用しない世界。なので、間違わないことと同じぐらい期限内に終わらせることが求められる。

3,安い

バックオフィス全般に言われることだが、できる限り費用を抑えるように言われ続ける。初期投資のかかるシステム変更なんかはとても大変で、なかなかOKが出ないことが多い。

バランスが大事

上記の3つを常に意識しながら日々の業務を行わなければならない。どこかに偏りがあったり、一部しか見ていなかったりすると部署としての役割が果たせなくなる。

バランスが大事な理由としては会社の状態によって
1,優先順位が変わる
2,デッドラインがある

1,優先順位が変わる

3つの優先順位は会社の状態や部署の状態によってコロコロ変わる。去年はスピードが大事だったが、今年は精度が大事になったりと普通に変わる。

新しい事業をはじめた際、精度を優先してしまうと事業の成長を止めかねない。いちいち全てを確認して、ノーミスでやるのは無理がある。なので、その部分についてはある程度許容できるレベルまで精度が落ちるのは仕方なかったりする。

逆に、上場企業の主力の事業であれば合ってるのが当たりまで、数値を間違っていたりすると大きな問題になる。なので、その部分については精度の許容範囲はとても狭くなる。

このように、会社や部署の状態によって優先順位が変わる。

2,デッドラインがある

優先順位が低かったとしても、最低限守らないといけないデッドラインがある。優先順位が低ければなんでも良いわけではない。

スピードで言えば「期限」だ。時間はかけてもいいが、期限だけは守らないといけない。年に1回の確定申告を直前にやってもいいが、申告期限だけは守らないといけない。

精度で言うと「割合」になる。大体でいいと言っても、10%も売上金額を間違っていたらとても大きな影響が出てしまう。場合によっては虚偽申告とみなされることもありうる。

値段についても「割合」になる。どれだけ正確に早くできる体制を整えたとしても、利益の全てをもっていくような金額を使ってしまうともともこもない。会社は数値を正確に早く記録するのが目的ではなく、事業活動を通して価値を提供し利益を上げることが目的だ。利益を全て食ってしまっては本末転倒だ。

バランスの変化

優先順位のバランスが変化していく流れについて、会社の状態別に実例を考えてみる。小さな会社が成長していくのをイメージしながら説明していく。

創業期:旨い10・早い10・安い80

会社の作りたては正直ざっくりでいい。毎月数値を確定させる必要はないし、外注で全然いい。なので「安い80・早い10・旨い10」ぐらいの比率になる。

年に1回の税務申告ができれば問題なく、できる限り安く押さえたい。会社が小さく取引量も少ないためザックリでも間違うことはあまりない。年に1回なのでスピードが無くても全然いい。

小企業:旨い30・早い10・安い60

会社がある程度成長すると取引量が増えてきて、ジワジワとおかしな点が増えてくる。変わらず安さが重要で他はある程度で問題ないが、数字があっていなかったり、社長の認識とズレたりということが出てくる。そのため、ある程度精度を求めるため、少し費用をかける段階になる。一人目の経理が必要になる段階はこれぐらい。

中企業:旨い30・早い10・安い60

事業にもよるが、売上が10億ぐらいになってくると、外注だけで終わらせることが難しく、組織として対応しなければいけなくなってくる。経理を組織として運営していく段階。

上場準備:旨い50・早い40・安い10

上場を目指す場合、管理体制のレベル一気にあげなければならない。そのため急激に費用が増える。人が増え、システムが増え、業務が増える。

上場企業:旨い30・早い30・安い40

上場前に一通り精度とスピードのレベルは上げているため、その後はそれを維持しつつデッドラインさえ割らなければOKというようになる。経理の制度が一番求められるのは上場直前のタイミングで、上場後は大分緩くなる。大学が入るのが難しくてその後は楽なのと同じだ。

まとめ

ざっくりのイメージなので参考程度にとどめておいて頂きたいが、当たらずも遠からずぐらいの感じだと思う。実際のところは業種、事業形態、会社規模などによっても大きく変わってくる。

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