経理と財務の違い解説

目次

はじめに

経理と財務は何が違うのか?外から見ると違いがわかりにくいこの2つ。具体的に何が違うのかについて考えていく。

経理の仕事

経理の仕事は「会社のお金の動きを記録・報告」すること。自身で何かするということは無く、過去の他部署の行動結果を全て記録し、必要な報告先に報告する。

財務の仕事

財務の仕事は「会社のお金を運用・管理」すること。自社の資金についてどうしていくか考え、戦略を練り、実際に行動する。

追加で必要があればエクイティファイナンス(出資)、デットファイナンス(借入)等の資金調達活動を行う。資金が潤沢にあれば効率良く運用する方法を考えて実行する。また、会社は資金が無くなると潰れてしまうため、それだけは避けなければならない。そのために資金繰り表を作成し、資金が底をつくことが無いか随時チェックを行う。そして出金時に間違いや不正が無いかを行い、自社の資金を守る機能もある。

上記の内容を分類すると
入金:資金調達(出資・借入)
運用:資産運用、資金繰りチェック
出金:出金の管理・チェック

と分けることができる。

違い

上記より、経理と財務の違いは簡単に言うと経理は過去財務は未来だ。財務はお金をどうしていくか?という未来を考えて実行する。対して経理は過去の出来事を記録・報告する。このような違いがある。

まとめると
経理:記録・報告(過去)
財務:運用・管理(未来)

このような違いだ。

Q&A

分ける必要は?

経理と財務の違いはわかったが、結局お金に関する業務であれば近いので分ける必要は無いのでは無いか?両方一緒でいいのではないか?分ける必要・理由はなんなのか?

理由としてあげられるのは
①不正防止
②違いが大きい

の2点だ。

不正防止
お金を動かす人と記録する人が同じ場合、いくらでも不正ができる。理由は確認する人がいないからだ。いつでも不正ができる状態であるため、普通ならしない人がついやってしまったというニュースをよく見る。

トップがやってしまったら意味がないのでは?という意見はあるが、少なくとも別の社員が見て不正に気付き、通報をする可能性はある。両方同じだと1人で完結して気づく人すらいないということが起こる。

②違いが大きい
経理と財務が大きく過去と未来に分けられるように、やることが全然違う。そしてそれぞれの業務は専門性が結構高い。その結果、ことば・役割共に自然と分けられているのだと思われる。

また、それぞれの職種の適性も結構変わってくる。経理は守り寄りな仕事である一方、財務は攻めよりな仕事だ。外からお金を取ってくる資金調達なんかは一番分かり易い例。攻めと守りは完全に逆の方向であるためもちろん適正も違う。

CFOとは「最高財務責任者」のことであるが、経理未経験の投資銀行出身者がつくこともよくある。その場合は管理部長に守りの経理が得意な人がいることが多い。

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